精神科ではたらくフリーライターのブログ

閉鎖病棟の看護助手兼フリーライターが日夜カラダを張ってお届けする、メンタルヘルスのお役立ち情報です。

【自宅待機ストレス】で爆発寸前!そんなあなたへ贈る、正しいストレス解消法

「ストレス発散の手段」を間違えてはいけない。

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「自宅待機DV」発生のメカニズム

 

かつて、依存症の専門病院で回復プログラムを指導していた、たろけんです😊

 

自宅待機ストレスおよびトラブル関連のニュースの中で、最近かなり頻繁に報道されるようになったのが「自宅待機DV」ですね。

 

通常であれば、昼間は仕事に行っていた夫や妻が自宅待機となり、ささいなことにもイライラして爆発!挙句の果てに暴力をふるう。そんな事例が後をたたないようです。

 

精神科の現場経験からそのニュースの印象をいうなら、「ああ、やっぱりな。」という感じです。

 

でもそれは、やっぱりストレスが溜まる環境だからDVにつながるんだろうな。。という発想とはちょっと違います。

 

なぜなら。

 

緊急事態宣言前には「良き家庭人」だったひとが、突然豹変するケースは少ないからです。

 

世間一般にはあまり浸透していませんが、家庭内暴力は依存症のひとつ

 

意外に思われるかもしれませんが、依存症は脳の病気であるため、暴力、恋愛、セックス、ゲーム、スマホ、摂食など、一旦依存が形成されてしまえば何だって依存対象になりうるのです。

 

誰もが思い浮かべるだろう依存症の御三家、「薬物」「アルコール」「ギャンブル」だけではないんですね。

 

依存症の怖さは「わかっちゃいるけどやめられない」とばかりに特定のネガティブな行動を繰り返しながら深みにハマっていく点。その結果、自分と周りを追い詰めていくれっきとした病気です。

 

では、今のような自宅待機が依存症傾向を抱える方になぜ良くないのかといえば、それは「追い詰められやすい環境」をつくりだしてしまうからです。

 

家庭内暴力の場合、一見すると追い詰められているのは暴力を振るわれる側。ですが、俯瞰して見ると、最初に追い詰められてしまっているのは「暴力を振るう側」ともいえるのです。

 

日ごろから抱えている問題や悩み、ネガティブな感情。

 

そうしたものに押しつぶされそうになっている時に、自分より立場の弱い人間をつかって鬱憤を晴らす。

 

瞬間的な爽快感を味わおうとしている点では、ドラッグの使用に近いイメージですね。

 

ただでさえ日ごろ鬱憤を抱えているタイプが、仕事の減少が理由で自宅待機する。それがいかに危険なことかはよくわかっていただけるでしょう。

 

ネガティブスパイラルに一層拍車がかかってしまうわけですから。

 

 

「DV前夜状態」から脱する、正しいストレス解消法✨

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さて。ついに家庭内暴力までいってしまうと専門家に相談する必要が出てきます。

 

でも、さすがにそこまではいかないけれど、家庭内の雰囲気がまさに一触即発。。!というケースもかなり多いのではないでしょうか?

 

そんなある意味「DV前夜状態」に陥っている方にお伝えしたいのが、自分の心を守る方法。つまりは正しいストレス解消法です。

 

DVが「正しくないストレス解消法」であることは、これまでの流れで分かっていただけたかと思います。それは、ネガティブな思いを相手を傷つける形で発散しているからですね。

 

それではどうするか。

 

最も地味ながら効果がある方法は「自然を眺めながら散歩すること」です。

 

これがいかにエビデンス(科学的根拠)のある方法かは鈴木祐著『最高の体調』をご参照いただきたいのですが、「そんなことでストレスは減らないでしょ?!」と思われた方ほどぜひ試していただきたい方法です。

 

わたし自身、生活リズムがつくりにくい仕事ですし、精神的なストレスを受けやすいいわゆる「3K」職種であることは確かです。

 

おまけに、今回の件で副業の収入も絶たれ、家ではいつも小さなこどもたちが無邪気に騒いでいる。さて、これから彼らに山ほど金がかかるのに、どう養っていこうか。ふぅ。。。

 

はい、わたしの追い詰められ感もハンパないですね!笑

 

これまでは夜勤明けのスパが全てをリセットしてくれていましたが、今はそのスパも禁じ手。カフェで一息ついたり、原稿書きをしようにもそのカフェが空いていない。。

 

つまりは、完全なる休息難民ですww

 

ただ、わたし自身が曲がりなりにも家庭内暴力に走ることなく、かつ、新たな挑戦もできているのはこの「自然を眺めながらする散歩」の威力によるものです✨

 

日勤の病院勤務を終えて夜遅くまでブログや原稿を書いていると、睡眠時間が削られます。本来なら、「起きる時間をずらして、そのぶん寝ていたい!」と思います。

 

だけども、だけど。

 

朝7時半には目を覚まして妻や子どもたちと近所の公園に向かう。朝の光に身をさらして、緑の木々が吐き出す新鮮な酸素を胸いっぱいに吸い込む。

 

ただそれだけのことで、2度寝なんかの数十倍もの癒やし効果があることを体感するのです✨

 

早起きの習慣も散歩の習慣もない方ほど、この絶大な癒やしのパワーには驚かれると思います。

 

「地味」だからこそ真価を発揮する

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 さきほど、自然を眺めながらの散歩を「地味な」ストレス解消法だと表現しました。

 

ふつうは地味な方法といわれると食指が動きませんよね?

 

でも実は、地味であることが最大のポイントなのです。

 

まずはこれまでを振り返ってみてください。疲労がたまっていると、人はえてして「派手な」ストレス解消法に走るもの。

 

キャバクラやホストクラブで散財してみたり、何軒もハシゴして酒をのんだり、高級品をボン!と勢いで購入してみたり。

 

こうした派手なストレス解消法は、まさにカンフル剤を打つ行為。その場しのぎのパワーブーストという視点で見ると、薬物の使用となんら変わりないのです。

 

派手なストレス解消法にはドーパミンの放出が伴います。

 

「もっともっと!」というさらなる快楽の予感だけが押し寄せ、真の満足にだけは決して到達できない仕組みになっています。

 

そして、気づけばすっかり依存が形成されている。つまり「それなしにはいられない」という、不自由きわまりないストレス地獄のループが待っているのです。

 

そうなると、当たり前の日常が砂を噛むように虚しく感じられるもの。

 

たとえば、グーッと背伸びをして感じる気持ちよさや、夕焼けをみて「あー、キレイな空だなぁ。」などという平凡な幸せにほぼ目を向けなくなります。

 

やがてカンフル剤が追加投入された時にだけ、ホッとする脳みそに作り変えられてしまうのです。

 

さて。その点「自然の中を散歩する」から醸し出される、地味で退屈なイメージときたら。。申し分ないでしょう?笑

 

ですが、「日光を浴びながら」「リズムよく歩く」。この何気ない行動こそが真の満足をもたらしてくれる幸せホルモン、「セロトニン」を分泌する行為なのです。

 

もし家族で一緒に歩けるなら、家庭内では膠着しがちなコミュニケーションもほぐれやすくなります。

 

また、場所を変え、環境を変えることの気持ちよさをそれぞれの視点で気づくようになるため、子どもでもリセット上手に変わっていきます。

 

 今の時期はマスク着用ではあるものの、やはりその効果はハッキリと感じられます✨

 

 

まずは「自分が息を吹き返す」こと  

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「家族みんなで出かけるほど仲良くないんだけど?」というケースもご心配なく。

そんな時はあなた自身のペースで、心ゆくまでひとりのリセット時間をたのしめばいいのです✨

 

今やコンビニのテイクアウトコーヒーの美味しさは、専門店にも遜色ないレベル。カップを片手に季節の草花を眺めながら深呼吸すれば、贅沢な時間をおくっている実感が沁みてきます。

 

わたしが「ひとり早朝散歩」をしていたときは、長いこと読んでいなかった本をバッグに忍ばせたりしていました。緑の深い公園のベンチで、スマホではなく懐かしい本を手にとってパラパラとめくってみる。

 

すると朝のテレビでやってる「本日の占い」なんかより、よっぽど胸を打つ一行が目に飛び込んできたりするものです。

 

そんな時に人は、今日という日が「昨日とはちがう新しい一日」なんだ、と実感することができるんですね。

 

昨日も今日も、明日も一ヶ月後も自宅待機。。。

 

そんな風にみずから閉塞感に陥ってしまいがちなここ最近ですが、小さな発見の中にこそ前進する力は潜んでいます。

 

自然を肌で感じ、コーヒーの香りをたのしみ、本の手触りや言葉の響きをたのしむ。

そんなアナログな時間はきっと、あなたが息を吹き返す貴重な時間になるはずです。

 

家族との関係がそれほどよくなくても、あなたが元気を取り戻せばそれはなんとなく伝わり、いい影響を与えるもの。

 

まずは自分の心を守ってくれる、正しいストレス解消法を試してみてくださいね✨

 

 

それではまた!

たろけんでした😊