「長丁場の戦い」に向く、精神科のルーティンとは?
3月から始まった新型コロナウィルスによる自宅待機生活もそろそろ丸二ヶ月が経とうとしています。
特に小さなお子さんがいる共働き家庭では、保育園や小学校の受け入れ態勢の変更に次ぐ変更で今に至ることもあり、特別な準備もできないままダラダラと毎日が過ぎ。。
なんて方も多いようです。
先日の記事でも書きましたが、わたしの場合は「リモートワーク推進の対談で気づいたこと」
によって、ハッと目が醒めました。
「これは決して一時的な流れではないぞ…」と。
そこで妻と話し合って今後の方針を決めることにしました。
いま必要なのは、長期的にこの状態がつづいても持続できる生活リズムだからです。
心理学の世界でも繰り返し言われていることですが、人間の行動を決めるのはまさに「習慣の力」。
わたしのはたらく精神科の閉鎖病棟においても、このテクニックはスケジュールに
キチンと組み込まれています。
そこで今回、病棟での生活リズムを自宅待機生活に取り入れることにしました。
なぜなら、精神科の入院生活も「先の見えにくい長丁場の戦い」である点において、わたしたちが置かれている状況に共通しているからです。
それでは具体策を早速ご紹介していきましょう。
自宅待機生活を快適に乗り切る、3つのルール
ルール① 条件と行動をセットにする。
これはいま話題の著書『最高の体調』(鈴木 祐著)にも書かれていることですが、習慣化の定着に高い効果が認められているのが「If thenルール」というテクニックです。
カンタンに言うと、ある条件とひとつの行動が必ずセットになるように決めておく、というもの。
精神科の閉鎖病棟では、毎朝6:30になったら必ず全館の電気がつき、すべての業務が動き始めます。お茶が出る時間、朝ごはんが始まる時間、朝食後のラジオ体操を始める時間。
これらに「週末だから」「体調の悪い患者さんがいるから」などの例外は一切ありません。
すべて時間と行動がセットになるようにスケジュールが組まれているため、患者さんもスタッフも行動に迷いがないのです。
そこに加えてお風呂の日や問診の日、リネン交換や外出できる日など「個人ごと×曜日ごとのスケジュール」が存在するため、一週間の自分の行動が見えやすくなっています。
わが家の場合、平日は妻がかならず6時前に起き、6時半にテレビで流れるラジオ体操を始めます。
これはストレートネックの改善のために始めた習慣でしたが、理想的な「If thenルール」の一例と言えるでしょう。
なぜなら、子どもたちもラジオ体操の5分前には寝床を出て服を着替え、ワイワイ楽しく参加する。という自然な流れが出来上がったからです。
そこに加え、自宅待機期間は「朝ごはんの後、みんなで30分の散歩に出かける」という新たな「If thenルール」ができ、朝からダラダラ過ごすことは一切なくなりました。
朝日にかがやく新緑や春の花を見ながらみんなで会話したり鬼ごっこをすると、親のリフレッシュにとっても欠かせない時間になるのです。
ルール②大事なことはすべて午前中に終わらせる
小学校低学年の子どもにとって大事なこと。それは授業に代わる時間をいかにつくるか?でしょう。
今回の臨時休校は、あまりに二転三転しながら決まった措置だったため、宿題も出ませんでした。そこで勉強ドリルがバカ売れしているとのニュースがありましたね。
問題はそのドリルを子どもたちにいかに取り組ませるか?ここが親にとって頭の悩ませどころだと思います。
わが家では「If thenルール」にのっとって子どもたちに伝えたのは、たったの一言です。
「たのしい一日にしたいなら、午前中にやるべきことをすべて済ませなさい。」
小学校2年生になる娘にとっての「やるべきこと」。それは、さんすうと文字の読み書き。そして、夢中になれるものを見つける好奇心をのばすことでしょう。
そこで娘が興味を示した「うんこドリル」のさんすうと漢字、それから写真百科事典の「ピクチャーペディア」から、”面白そうなページを読み込んでみんなに教える”をノルマにしました。
ルール③休憩とごほうびにひと工夫を
さて。一度親が「たのしい一日にしたいなら」と言った以上、子どもたちの期待は当然ふくらみます笑。
また、毎日のことですから、午前中の勉強もイヤイヤやるのなら「学び」ではなく「苦行」になってしまい、自発的な成長にはつながりません。
そこでわが家では「勉強の時間は午前9時から11時半まで」と決め、「集中して頭をつかう勉強の時間」と「カラダを動かす休憩の時間」のサンドイッチにしました。
勉強ひとコマは45分間。休憩の15分では音楽をかけて大好きなダンスを3曲分踊ります。
すると、2コマの勉強&休憩+30分のフリースタイルというタイムスケジュールになり、リズムよく進んでいきます。
また、子どもの集中力が途切れはじめたらちょっとしたおやつをご褒美に設定するなど、進行度合いではなく、こどものモチベーションのリズムを見極めることを重視します。
2週間近く経って実感することは、親がスマホなどを見て「ながら指導」していると子どもはまったく波に乗れないということw
そのため、親は自分にとってもモチベーションが維持できる方法を見つける必要があります。
たとえば、子どもの頃に夢中で読んだ本を臨場感たっぷりに読み聞かせたり、自分の趣味の魅力を子どもにもわかるように伝えるなど、実は親がたのしむことこそ子どもが波に乗る一番の秘訣かもしれません。
それぞれにたのしい午後を過ごす
さて、午前中の勉強時間が終わったら、お待ちかねのお昼ごはん。
その後は晴れて自由時間です✨
元気のあり余った子どもたちには、レゴブロックでもお絵かきでも、やりたい遊びをさせてあげましょう。
とはいえ、子どもたちが一番よろこぶのはカラダを動かす外遊び。
晴れた日には、ランチを兼ねて大きめの公園にピクニックにでかけたり、近くの河原まで自転車やキックボードで出かけるだけで子どものテンションはMAXに✨笑。
でも。週末の自宅待機要請が出ているタイミングでは、なかなか思うようにいきませんよね。。
そこでオススメしたいのがトランポリンです。
理由は、トランポリンに反応しない子どもはまず見たことがないから笑。
そして、雨の日も家から出られない日も、大人と子どもがちゃんとカラダを動かせるからです。
Amazonなどで検索すれば、大人でも使えるトランポリンが3,000円台から見つかります。
IRONMAN CLUB(鉄人倶楽部) フォールディング トランポリン 36 IMC-63 折りたたみ式 家庭用
一軒家のお家やマンションの一階にお住まいの方なら家の中で気兼ねなく遊べますが、気をつけたいのがそれ以外の集合住宅のご家庭。
トランポリンは振動音がそこそこ大きいため、必ず厚めのマットレスなどを敷いて対策をしましょう。わが家では、コルクタイプのマットレスを二重にして使用しています。
夜は家族みんなで楽しめる映画を囲んで。
子どもたちがまだ小さいせいか、午前中にしっかりと頭を使って午後に思いきりカラダを動かすと、20時過ぎにはもう、眠くて眠くて仕方ない状態に。。笑
そこで、午前中に勉強をしない土日になると、わが家では家族みんなで楽しめる映画を見ることにしています。
映画館では決してできませんが、子どもたちは映画を観ながらリアルタイムで感想を言うのが大好きだからです。
今は毎月500円で楽しめるAmazonプライムビデオがある時代ですから、映画やドラマ、アニメなど、なにかしら面白いコンテンツが見つかりますよね✨
そして、もしアマゾンプライムビデオのラインナップに飽きてきたら、他の動画サービスを試してみることをオススメします。
たとえば、一連のスタジオ・ジブリ作品が観たくなったら「TSUTAYAプレミアム会員」の1ヶ月お試しを。
また、他にもHuluやNetflix、U-NEXTといった具合に、独自のコンテンツがある動画サービスのお試しをリレーしていくだけで4ヶ月も無料視聴を楽しむことができます。
今後、自宅待機要請がいつまで続くのかはわかりませんが、こうしたリズム感のある生活を数ヶ月も維持できば、必ずメリハリのある生活習慣が身につきます。
まとめ
最後に、これらを実現させる3つの大事なポイントをまとめます。
- 親が率先して楽しめる行動をベースにする。
- 毎日のルーティンは親が先に行動にうつす。
- 「引きしめ役」と「ごほうび役」は父親が引き受ける。
1.と2.は、先述の通りなのでいいでしょう。3.についてはちゃんとした理由があります。
大抵のご家庭では、子どもたちが母親と過ごす時間の方が長いでしょう。それが今回の自宅待機で更に顕著になり、「距離が近すぎて真剣に言うことを聞かない」ようになってきます。
そこで、ふだん接触時間のすくない父親の出番です✨笑
ルーティンを実行させるピリッとした引き締め役と、それが達成できた時のごほうび役。いわゆる「飴とムチ」役を担ってください。
母親と父親の役割のコントラスト、父親が主導する時の特別感。それらがいいアクセントになって、きっとうまくいくはず😊
それではまた。たろけんでした!