長引くコロナ後遺症で悩む方に「後遺症外来」という選択肢を。
たろけんです。
わたしの勤務する閉鎖病棟の看護スタッフのうち、今回5人の方がコロナウィルスに感染しました。
そのうち、2名の方はほぼ後遺症らしきものは残っていないとのこと。
そして残る3名の方には、感染後2ヶ月が経過した今でも何らかの不調が残っているということです。
そこで今回は、未だに嗅覚障害が残るスタッフが先日出かけてきた「コロナ後遺症外来」についてご紹介したいと思います。
「コロナ後遺症外来」とはなにか?
後遺症外来とは、「なんらかの疾患を経た後で残る不調や不快感」を医学的に診察してもらう外来のことです。
新型コロナウィルスの場合、大きな特徴となっているのがこの「後遺症」の存在。
- 37度台程度の微熱がつづく
- なんともいえないだるさが残る
- 呼吸がくるしい
- 嗅覚障害が残る
- 味覚障害が残る
- 不眠症に悩む
などなど。
多様な症状が確認されており、一部にはウィルス性疾患に共通するME/CFS(激しい運動を行った翌日移行、猛烈な疲労感に襲われる)という原因不明の症状も含まれているようです。
嗅覚障害の実際
今回は「嗅覚障害が残る」という理由でこの看護師さんは受診をされたわけですが、実際に感じるふだんの匂いの変化について、次のように表現されています。
- コロナ感染直後は匂いがまったく消え失せたため、まるで「音のない世界」にでも閉じ込められたような感覚に陥った
- 感染回復後から徐々に嗅覚が戻り始めてはいるものの、2ヶ月経った今でも感覚値で4割程度しか回復していない
- 匂いの強いもの(トイレの芳香剤、シャンプーなど)の香りが、以前とはちがったものに変わってしまった
- 少しずつ匂いが戻ってくるのではなく、断続的に「ふっ」と香ってまた匂いがしなくなる、という感じで回復が進んでいる
- 香りがしないため、料理をつくるとどうしても味気なく感じて塩気を強くしてしまう
周囲で見ている分には、その不便さが全く伝わってこない点も嗅覚障害はもどかしいですね。
香りを楽しむ機会が減ったため、以前ほど食事をたのしめていないと嘆いていらっしゃいました。
コロナ後遺症外来での問診
後遺症外来という科目自体がまだ一般的ではないため、専門医が少ないのが現状だそうです。
そのため、大きな総合病院でも受診日が一週間に一日のみということが珍しくない様子。
同じ目的で受診をお考えの方は、通える程度の少し広い範囲で病院やクリニックを検索してみてください。
さて。この看護師さんに当日の様子を聞きますと、次のような順番で診察が行われていました。
- 問診で症状が始まった時期や変遷についての細かな質問がある
- 鼻のレントゲン撮影と血液検査
- 薬の処方
1については上記に挙げた内容を話されたそうです。
2の検査結果は次回の診察を待つ必要があるそうですが、今回は3の処方された薬について伺いました。すると、彼女の症状に対して処方されたのは次の3つのお薬でした。
- アデホス・・・血流を増加させることで代謝を促進する働きのお薬。
- ビタミンB12 ・・・神経及び血液細胞を正常に保つ栄養素。
- 補中益気湯・・・全身の倦怠感の改善に効果のある漢方薬。
全体的に、細胞の代謝を促して機能が低下している神経のはたらきを正常化する目的であることがわかりますね。
補中益気湯は、病後の活力不足を補うのによく使われる漢方で、わたしもしばらくの間服用していたことがあります。イメージでいうと、滋養強壮剤といったところでしょうか。
いずれにしても、時間をかけてゆっくりと機能の回復を待つ。そのためのゆるやかなアプローチとして、後遺症外来では漢方が処方される傾向が強いようです。
数日後に処方薬を服用した感想をうかがったのですが、大きな改善は見られないものの、心なしか倦怠感が薄れている気がする、とおっしゃっていました。
ただ、補中益気湯はお腹がゆるくなりやすいので服用を止めているとのことでした。
漢方の相性は人によっても変わってくるようですね。効果が明確に感じられる方は中医学専門のドクターに相談する選択肢もあると思います。
今後の経過に関しては、またお役に立ちそうな情報が入り次第更新したいと思います。
今回はこのへんで。
それではまた、たろけんでした😊