ワクチンへの不安は当然。しかし、それを上回るメリットも?!
たろけんです。
職場でコロナクラスターが発生してからおよそ2週間後。現場職員に1回目のワクチン接種が行われることになりました。
正直な話、精神科の特性上、ワクチン接種の順番が回ってくるのはずっと後だったはずです。
なぜなら、コロナ病床数を確保している総合病院に比べ、精神科病院は他院から感染者を受け入れることはないからなんですね。
そんなわれわれも、現在は2回目の接種を終えて一ヶ月以上が経過しました。
そこで今回は、まだ接種への不安をお持ちの方に向けて、ワクチン接種に関するあれこれをお届けしてみたいと思います。
アレルギー体質のため、摂取前は”アンチ”だった。
過去記事にもいくつか上げましたが、わたしは40歳を過ぎたあたりから急にアレルギー体質になってしまいました。。そして、現在も体質改善に努めているところです。
ふだんの注射時も、アルコール綿で消毒した場所は赤くかぶれてしまいます。
また、強い精神的ストレスがかかるとじんましんも出てくるように。
また、これは特殊なケースだと思いますが、私は20代の頃、世界中を旅して回るバックパッカーをしていました。
そのため、「黄熱病」や「狂犬病」といった日本では珍しい予防接種を打ったことがあるのですが、ことのほか副反応がキツかったのです。
そんな体質ですから、クラスター前に接種の意思確認があった時は、基本的に見送るつもりでした。安全性がよくわからないものを打てば、じんましんが再発するかも、と考えたのです。
とはいえ、よくよく考えれば病院は社会の公器。患者さんの感染リスクを下げることも基本業務のうちなわけです。
接種に関して「病院内で同調圧力があった」とマスコミで話題になったこともありますが、基本的に、病院は私情を優先させる場ではない、というのが私個人の考えです。
(私の病棟では結局、「接種しない」を選択した人が一人いましたが、周囲からは特に何も言われていませんでした。)
ワクチン接種前にクラスター発生!その時に感じたこと。
こうして、半ば義務感から接種希望を出したわけですが、いざ病棟でクラスターが発生してみると、その考えはガラリと変わりました。
一人目の感染者が発生してからワクチン到着までの12日間。本音を言えば、「一刻も早くワクチン接種をしたい!」と切望していました。
なにしろ、患者さんは猛烈なスピードで感染していき、バイタルサインの急降下によって次々と緊急搬送されていくのをこの目で見ているわけです。
救急車が到着して他院へと搬送される際も、救命士の方々はものものしい完全防備。
たとえ症状が軽く済んだとしても、家族すら近寄れない状況になるのです。
そうした状況で一番心配していたのは、ワクチンの副反応ではなく、2回目の接種後に抗体ができるまでの日数でした。
ワクチン接種1回目
ようやく待ちわびたワクチンが到着。夜勤入り前に接種を済ませましたが、目立った副反応もなく、ホッと息をつきました。
周囲のスタッフにも副反応について尋ねたところ、「摂取した方の腕が痛くて、持ち上げられなかった」という方が20名中2名ほどいました。
一回目の接種で発熱した方はほぼいなかったようです。
ワクチン接種2回目
一回目の接種から3週間あまり。5月下旬に2回目の接種を行いました。
わたし自身は2回目の副反応はゼロ。まったく変化がありませんでした。
ところが周囲では、一度目と二度目の副反応はかなり様子が異なっていました。
わたしの職場だけでも、以下のような方々がいらっしゃいました。
- 接種後に痙攣のような反応を示した
- 熱発した(38度台までいった方も複数いました)
- 倦怠感がある(体中がだるい)
- 頭痛・頭がぼーっとする
- 全身の筋肉痛
- 背筋がつるような感覚が出て、呼吸がしづらい
- 腹痛および下痢症状が出た
- 摂取した腕が赤く腫れた
- 痛みで腕が上がらない
これだけ聞いたら、ふつうの人は接種を躊躇しますよね。ある意味、当然の反応だと思います。
ただ、一度しかワクチン接種を行っていない医療従事者の死亡事例は世界でも多数ありますし、日本でも2回目を打つ前の救急救命士の方がコロナ感染で亡くなっています。
死亡までいかずとも、味覚障害や嗅覚障害、慢性的なだるさが長期間残るなど、感染した後のリスクは計り知れません。。
そして、2回目のワクチン接種から2週間ほどが経過。免疫を獲得した後で得られたメリットは次のようなものでした。
新型コロナの抗体ができたら、何が変わる?
- 親や子が入院・手術をするような場合、病院からつきそいを認められる
- 一人暮らしの親や、持病を抱える友人など、「感染させてはいけないが、様子が心配」な相手に会いにいける
- 公共の場で、他人から感染させられるリスク、感染させるリスクを大幅に下げられる
- クラスターが終息していない職場でも、以前ほどナーバスにならずに済む
相手の体調が心配だからこそ、会いにいけないもどかしさ。
会いにいけば、それがコロナ感染の引き金になってしまうかもしれない。果たしてこれほどまでのジレンマが、今まであったでしょうか?
私の場合は、およそ一年ぶりに一人暮らしの母に会えました。
この時ばかりは心から、ワクチンの効力に感謝しましたね。
医療従事者ではない姉は、まだ一回もワクチンを接種していないため、いつ実家に行けるかわからない状況です。。
また、ワクチン接種から2週間後に、これまで2ヶ月間封印していたスパ通いを再開しました。
実をいえば、クラスターの現場で働いていても厳密にいえば濃厚接触者ではありません。
PPEをフル装備していれば、対象者にはならないからです。
とはいえ、一般の方よりも感染リスクがはるかに高いことは疑いようのない事実。
そこで自粛を続けていたわけですが、これがメンタルの危機にも繋がるほどの苦痛でした。。笑。
夜勤明けにスパを再訪した日のことは長く忘れないことでしょう。
こんな天国がこの世にあったのか!?と思われるほどの眩しさでしたから✨
まとめ
さて。私としては新型コロナのワクチン接種を読者の方にすすめるものでも否定するものでもありません。
ですが、先日の丸川大臣の発言のように「一回目のワクチンで一時的な免疫をつけておく」といった愚かな認識では、この先やっていけないことは目に見えています。
また、SNSなどを中心に出回るデマに振り回され、いざという時の判断を誤ることもあってはならないことだと感じています。
みなさんが正しい知識をつけた上で、現場の様子も参考にしながら判断していただければ幸いです。
それでは今日はこの辺で。
たろけんでした😊