精神科ではたらくフリーライターのブログ

閉鎖病棟の看護助手兼フリーライターが日夜カラダを張ってお届けする、メンタルヘルスのお役立ち情報です。

精神科で10年働いてわかった! 【身だしなみの最適解】”考え方”編

身だしなみとは見た目の「整理整頓」である。

f:id:mental-hpk:20200601102815j:plain

  メンタルと身だしなみの深い相関関係とは?

 

こんにちは。看護師さんから「王子!」と呼ばれている、たろけんです😊笑

コロナ禍で売上が落ちたもののトップは、女性の化粧品というニュースがありましたね。

 

マスク着用の常識化と、リモートワークによる外出機会の減少により、口紅やUV化粧品の需要が落ちたのが原因と言われています。

 

筆者が真っ先にカットしたのはアパレル代。人と出会う機会が減るなら、新しい服はいらないですもんね。

何より、全員がマスクをしている状況だと「別に、誰だかわからないんだからいいや」みたいな気分になりませんか?

 

ところが、こうした身だしなみ意識の低下問題。悪い方へ進むとメンタルの不調にもつながるので要注意です。

 

閉鎖病棟で日々はたらく看護助手のわたしには、患者さんの身だしなみをチェックして整える役目があります。

足かけ10年、数百人の患者さんの様子を見ていると、メンタルの状態と身だしなみには深い相関関係があることが見えてくるのです。

 

たとえば、うつ状態の患者さんの場合。

うつがひどくなるほど、自分の外見にまったくの無関心状態になっていきます。

 

目ヤニがこびりついていようが、フケが出ていようが一切お構いなし。

お風呂の時でも自分で体を洗おうとせず、ジッと椅子に座ったまま。

 

何より、鏡を見ようという気力すら湧かなくなるので、当然のことかもしれません。

 

反対に、躁状態の患者さんの場合。

テンションが暴走してしまうため、身なりに異常なほど執着してしまうことがあります。

 

その結果、女性患者さんであれば化粧のしすぎや服の大量購入、男性患者さんであれば周りが避けて歩くほど奇抜だったり、コテコテにキメ過ぎた格好をしたりすることになるのです。

 

こうした事実からわかることは、身だしなみは不足があっても過剰でもうまくいかないということ。

 

ちょうどいいバランスを見つけることが、メンタル状態の最適化にもつながることに筆者は気づいたのです✨

 

見た目の「過剰」と「不足」を取り除く

その際、意識したいのが 身だしなみは、見た目の整理整頓である。

ということ。

 

過去記事にも書きましたが、整理整頓にはメンタルを整える効果があります。

www.mental-hpk.com

 

実践にあたって覚えるべきことは、たった2つです。

 

  1. 見た目の「過剰」と「不足」を取り除く・・整理
  2. 整った状態を維持する、ルーティンを身につける・・整頓

 

ここをすっ飛ばして、いきなり個性的なファッションなどを盛り込もうとすると、

確実に「イタい見た目」になります。

 

逆に、全体のバランスを整えてあげるだけで、スッキリとした「その人なりの個性」が現れるから不思議です。

 

つまり、個性は「盛る」のではなく、「整える」ことで輝くんですね✨ 

 

 

見た目から読み取られている「内的」情報のすべて

f:id:mental-hpk:20200531150037j:plain

 

次に、身だしなみの大切さを精神科の日常からご説明したいと思います。

精神科ではまず、見た目のチェックから問診が始まります↓

 

www.mental-hpk.com

 

 ドクターは患者さんの精神状態をアセスメント(調査と評価)するために整容をチェックするのですが、これと同じことをわれわれも日常で無意識に行っていますよね。その際の5つのポイントを以下に挙げてみます。

 

 ①攻撃性とエゴの強さ

 他人と関わる場合、まず最初にチェックするのが「危険なところがないかどうか?」でしょう。人は本能的に、相手が自分に危害を加える恐れがないかを調べているのです。

 

この場合、場違いなほど「攻めたファッション」や「個性の押し出し」は、リスクでしかありません。そのチョイスで、内面の攻撃性や強烈なエゴが容易に想像できてしまうからです。

 

②常識の有無

同じく、人は常識はずれの身だしなみをリスクと感じます。これは、相手の思考回路を理解も共感もできないため、トラブルの予感しかしないからですね。

そのため、最低限のTPOにも合わせられない人間には、自然と「関わりたくない」と感じるのです。

 

③コミュニケーションセンス 

そもそも自分と合わない人間には、本来見向きもしない。それが人間の本質です笑。

 

そのため、身だしなみの整っていない人はどうしても敬遠されますが、身だしなみの整った人には多くのコミュニケーションの可能性が開かれます。

 

それは、本人が意識してコミュニケーションの間口を広げているから。相手に余計な心配をさせない努力が伝わるから、話す前から好感を持ってもらえます。

 

④信頼感

 身だしなみのスキのなさは「ミスのないイメージ」にもつながるため、信頼感が増します。

また、見た目に「ほどよい緊張感」が生まれるため、相手になめさせない、つけこませないといった抑止効果もあります。

 

⑤プライベートの充実

隅々まで手入れが行き届いたモノを身につけていれば、それを日々維持する「メンテナンス能力」が必要なことがわかりますよね。その能力は、生活全般を支える底力となります。

 

つまり、身だしなみを充実させることで相手に「この人はちゃんとした生活をしているんだろうな」というイメージまで持ってもらえるのです。

 

さて。

 

身だしなみの完成度を日々高めていくと、身のこなしや着こなしなどにある種のオーラのようなものが生まれてきます。

 

そうなると、発言に説得力が増すだけでなく、高価なモノにも頼る必要がなくなるため、全身から余裕が漂うようになるのです。

 

結局、人は個々のアイテムではなく 全体の雰囲気 を見て相手を判断しているのです。

かくも重要な身だしなみを、いい加減なままにしておく手はありませんよね?笑

 

 

他者の視点を導入して「意識の死角」を消す。

f:id:mental-hpk:20200531150713j:plain

それでは、身だしなみの「ちょうどいいバランス」を探るためには、何が必要になるでしょう?

それが、客観的な視点の導入です。

 

なぜなら、身だしなみは他者との接点を前提にしているため。他者の目線を抜きにして、最適な地点を探ることは不可能なのですね。

 

客観的な視点とはつまり、他人の感情を汲み取る能力。

 

身だしなみがうまくいかない場合、ほとんどが自分の「死角」の存在に気づいていません。

 

自分は「これで大丈夫!」と思っているのに、他人にはあなたの「うわ、マジで!?」と感じられる情報がクローズアップして見えているのです。

 

だからこそ、身だしなみの基本はまず取り除くことから。つまり、「意識の死角」の払拭から始める必要があるのです。

 

そんなわけで次回から、早速具体的な方法をご紹介していきたいと思います♫

 

それではまた!

たろけんでした😊