緊急事態だろうとなかろうと、勉強はたのしい方がいい
小さなお子さんのいるパパさんママさん、こんにちは😊
早大政経学部の学生だったころ、中学生の家庭教師バイトをしていた、たろけんです。
今日は小学校低学年の自宅学習について書きたいと思います。
現在、コロナウィルスによる自宅待機期間が丸2ヶ月になろうとしています。そろそろ本格的に対応しないと子どもの学習に遅れが出る、と焦ってらっしゃる方もいると思います。
とはいえ、肝心の大人たちでさえ右往左往の大混乱。
学校の現場も政府からの二転三転する決定にふりまわされ、宿題も出ないままブツリと学年を終了。クラスメートともほとんど会わないまま新学期に突入しました。
先日、在住する市の肝いりで開始した「自宅学習動画サイト」にアクセスしてみましたが、子どもの学習意欲をかきたてるにはほど遠い内容。。
もちろん、今後リモート授業はどんどん拡充されるはずです。こども一人に一台のタブレット端末が支給され、オンライン授業を受ける流れになるでしょう。
ただ、その体制が十分に整うのは、わたしたちがイメージするよりずっと先の話になるはず。
長年の伝統にガチガチに縛られ、議論百出する「子どもの教育」という分野において、すんなりと指針が決定するはずがないからです。
「待っていては取り残される」けれど。。
とはいえ、仮に3ヶ月何も対策しなかったとしたら、学習の遅れは深刻です。もはや学校の不備を責めている段階ではないでしょう。
そこで、改めて浮かび上がるのが自宅学習の価値。どの程度の学習をどんな配分でさせたらいいのか、どの家庭でも迷われていることでしょう。
もちろん、そこに絶対的な正解はありません。
けれど、親の経験が子どもにとって最適なものとはいえないのが教育における盲点です。
そこでわたしが手にとったのが中室牧子著「学力」の経済学でした。
この本の独自性は、主観的な議論になりがちな教育に「学術データ」というエビデンスを持ち込んだ点。
「あの家庭ではこの方法で東大まで行かせた」
「このやり方で頭のいい子を育てた」
そんなキャラ立ちした事例や書籍が「再現性のある事例とはいえない」ことをデータを用いてハッキリと指摘しているのが素晴らしいところです。
そのため、この事実さえ知っておけば次々と姿を変えては現れる「勉強ができる子にする方法」に振り回されなくて済むのです。
待機期間は子どもへの投資期間
この本の内容は、エビデンス導入を推奨した教育概論といった趣のため、実際の学習法を説いたものではありません。
ただし、教育費を日々稼がなくてはならない親として、知っておくべき大事なポイントがあります。
それは、子どもの将来の収入がどれくらい高くなるかを示す「教育の収益率」という考え方。これは、子どもの年齢と投資すべきタイミングを考える上でとても重要になります。
そのデータによると、なんと、最も教育費を投資すべきタイミングは未就学児の時という結果が出ているのです。
しかも、それは言葉の読み書きや計算問題といった「認知領域」だけではなく、忍耐力や共感能力などの「非認知能力」に対して投資すべきだと。
これはつまり、「人間的な魅力」のことです。
単にテキストやドリルの正答率を上げればいいわけではなく、そこに彼らの持ち味が生きる要素を織り込む必要があるということ。うーん、なかなかの難易度ですね。。笑。
ただ、自宅待機期間はそうした部分にエネルギーを注げる最大のチャンスです。そこで大人も一緒になって楽しめる学習法についてご紹介していきたいと思います😊
自宅教育で押さえるべきポイントとは?
「勉強しなさい」ではなく、「勉強しようよ」
データによると、「勉強しなさい」の声がけはまったく無意味であることがわかっています笑。言うだけムダというか「百害あって一利なしワードNo.1」といったところ。
そこでわが家では、早朝にたっぷりの散歩でカラダを動かした後は勉強の時間、と決めています。一日のスケジュールに組み込んであるんですね。
子どもたちの頭が目覚める上に、大好きな外遊びでテンションも上がります。いい気分のまま次のチャレンジに突入!といったイメージです✨
小学2年生の娘をダイニングテーブルにつかせたら、妻かわたしがその隣に座ります。これは、「ながら指導」では子どもの集中力が途切れることがデータで判明しているため。
わたしが指導できるのは休みの日か夜勤入りの日に限られますが、とにかく午前中の2.5時間だけは子どもへの投資と腹をくくり、共にたのしむことにしたのです。
子どもの「学習特性」を把握する
わが家で使用するテキストは、小学生に大人気の「うんこドリル✨」子どもに大人気なのはもちろんですが、自宅学習に向くのには他にも理由があります。
それは、つい指導に熱が入ってしまう時にも全例文に「うんこ」を使用した文章がほどよいクッションになるため。
これは「家庭学習あるある」なのですが、子ども時代に勉強ができた親ほど、理解がすすまない子どもにイラッとする瞬間がくるもの笑。
その「圧」は小さい子どもには意外なほどプレッシャーとなるものです。
でも、「うんこドリル」なら大丈夫。ページの終わりごとに「スーパーうんこ問題」というふざけたボーナスがあるのですが、これが子どもにとって1ラウンド終了のゴングになるからです。
ゲラゲラ笑いながら「スーパーうんこ問題」をクリアしたら、次のラウンドにチャレンジする。この流れがとてもいい学習ペースを生んでいるようです。
また、小さいこどもでも既に「学習特性」はハッキリと出てきます。
暗記モノに強いタイプ、数字に興味があるタイプ、ストーリーを追うのが得意なタイプなど。データによれば、こうした学習能力の特性は遺伝的な要素が強いことがわかっているそうです。
うちの娘は、わたしと同じ「暗記モノに強いタイプ」だとわかったため、小学一年生の夏休みに一緒に遊びながら九九をマスターさせました。
そのため、新二年生ではありますが、4月半ばに2年生の算数を終え、今は3年生の算数に取り組んでいます。
実は、数字に興味のないタイプであることもわかっているのですが、こうした学習特性を利用した先取りによってずいぶんと算数に自信を持てたようです✨笑。
親が読んでわかりにくい説明はしない
「うんこドリル」に限らず、さんすうの勉強が進むと親が解説を読んだ時に「ん?」と引っかかる箇所が出てきます。子どもに伝わる表現になっていないケースがあるんですね。
これをそのまま子どもに伝えてもまず理解してくれません。当然ですけども笑。
そこで工夫すべきは「よりシンプルで、ラクな考え方はないか?」ということ。
”勉強って、むずかしく見えるものをわかりやすく変えるためにするんだよ。”と言いながら、いつも教え方を試行錯誤しています笑。
同じように、子どもにとってすぐには理解できそうにない部分があれば、とりあえずトバして先に進みます。
まずは「手にしたツールで出来ることが増えていく快感」を知ったらそれで十分だからです😊
親こそ「学年の枠」にとらわれない
子どもが勉強を渋るときのセリフとして「これはまだ学校で習っていないから」というものがありますね。でも、そんなことを聞いていたら何もはじまりません笑。
学年で決められている学習内容は、あくまでも最低ラインの目安。こんなタイミングだからこそ、モチベーションに乗せてどんどん進んでしまえばいいのです。
『学力の経済学』のデータによれば、教員の能力によって同じ学年でも学習理解度に最大で丸一年分もの開きが出るのだそうです。
これは言い換えれば「進める時に進んでしまおう」ということ。
この時代、いつ、どんな要因で勉強さえ出来なくなる環境に陥るのかわからないのですから。
小学校の低学年にとって、学習のポイントになるのは「算数+読み書き+非認知能力の向上」でしょう。
そのため、「認知能力」を測る「算数+読み書き」に関しては、むしろビュンビュン先取りさせ、あまった時間をより大切な非認知能力の向上に振り向ければいいと思います。
非認知能力とは「好奇心の強さ」「社交性」「忍耐力」などの気質や性格的な特徴を指す、「人間から学び、獲得するもの」のこと。
焚き火で炎の取り扱いを教えたり、一緒に料理をして味の変化を体験させたり。そうした親子ならではの時間が、子どもの心にしっかりと根を張っていくのですね。
大人だって、算数を教えるよりそっちの方がよっぽど楽しいでしょう?笑
成果(アウトプット)ではなく、取り組み(インプット)にご褒美をあげる
昔から延々と議論されてきた「勉強する子をご褒美で釣っていいのか?」問題。これに答えることこそ、教育経済学の真骨頂でしょう。
『学力の経済学』では、「アウトプットではなく、インプットにご褒美をあげる」のが正解だとしています。
「成績が上がったらご褒美」ではなく、「この本を読んだらご褒美ね」という発想にこそカギがあるわけですね。
そこからわかるのは、モチベーションの継続こそが命ということ。喜んでインプットする習慣さえ身につけば、アウトプットは保証されたようなもの。
そこでわが家では、勉強中に子どもが身をよじり始めたり、あくびを始めたらすぐに小さなおやつを口に放り込みます笑。
そして、「これが解けたら追加であげよう!」などと励ましてペースを取り戻させています。
また、「解けるかどうかわからない問題にただ取り組んでいる」ことへの心理的抵抗が、ダレた態度につながるもの。
そこで、問題を先回りして読み「これは今の実力なら余裕だね!」などと解答する努力を前もって褒めてやることでモチベーションアップに努めています。
覚え方、解き方に創意工夫をする
たとえば、ひたすら漢字を書き取りさせられる勉強って、子どもには苦行でしかありません。
「一文字につき10回書きなさい!」なんて言われたら、子どもの頭はその時点で脳波がツーーーー…っとフラットになります。まさに好奇心ゼロの状態ですw
そこでわが家では、漢字の覚え方に親子で知恵を振り絞ります。
「絵描き歌」よろしく書き方を替え歌にしてみたり、「この漢字をつかって、面白い絵をかいてごらん」などと言ってみたりします。たとえば、
「魚」という漢字をつかって、見たこともない姿でおよぐ魚を描く
「風」という漢字をつかって、猛烈に走ってくる風を表現する
などなど。
空想で漢字を字源へもどす遊びをするのです笑。
そうしたら、彼らの頭の中にはオリジナルの字源が残りますよね。そのシルエットは強烈におもしろかったりするので、よく思い出し笑いをしています。
こうなったらしめたもの。単調な学習に好奇心が戻ってきた証拠です✨
そんなこんなで、娘は4月中に2年生の漢字を覚え切りそうな勢いです。
いかがでしたか?
わが家の事例にしても、再現性があるかどうかははなはだ自信がございません笑。
ですが、たのしげに先取りしていく雰囲気はなんとなく伝わったかと思います。
知恵を出し合い、ともにこの時期を乗り越えましょうね!
それでは今日はこのへんで😊
たろけんでした♫