精神科ではたらくフリーライターのブログ

閉鎖病棟の看護助手兼フリーライターが日夜カラダを張ってお届けする、メンタルヘルスのお役立ち情報です。

Testosterone氏も断言!「一日は17時間しかない。」睡眠を軸にした生活で、メンタルを守り抜け。

「睡眠リズム」が乱れる夜勤者・サラリーマンが死守すべきこととは?

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午前3時半に起床した、たろけんです😊(7時間睡眠)

 

昨日のブログにも書いたとおり、人間の体がゆがみや疲労から回復するのに最も重要なのは睡眠です。

www.mental-hpk.com

そんな中、タイムリーな記事を見つけたのでご紹介したいと思います。

 

先日購入した、Testosterone氏と精神科医の岡琢哉氏による著作『心を壊さない生き方』ー超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書ーです。

 Testosterone氏、わたしは大好きです。

 

以前、「筋トレが最強のソリューションである」を購読し、「世の中の99%の問題を解決するのが筋トレ。筋トレによって解決しない問題は。。本当の問題である!」との名言にシビレました。

 

一見、お茶目な筋肉バカを装いながらも、高い知性とエビデンスに基づいた情報を発信しつづけるその姿勢。Twitterを中心に、熱狂的な支持を集める理由がよくわかります。

 

そんな氏がメンタル領域に特化した対談本を出してきたため、早速読んでみることにしました。

 

大人は最低でも”7時間睡眠”を死守すべし

わたしのようなダブルワーク(精神科スタッフとフリーライター)をしている人間にとって、睡眠時間は「時間を生み出すためのバッファー」だったりします。

 

つまり、忙しくなればついつい「睡眠時間を削って調整しよう」という発想がしみついてしまっているんですね。

 

その結果、何が起きるか。

 

忙しくても、忙しくなくても睡眠時間を削る、万年睡眠不足が常態化してしまいます。

 

なにしろ、スマホさえあれば暇つぶしには事欠かない今。「リラックスタイムを満喫する」という理由で、肝心の「疲労回復タイム」を削ってしまうことになります。

 

そこで、睡眠時間を確保するために真っ先に捨てるべき考え方。それこそが上述の「睡眠時間を削って帳尻を合わせる」という発想になります。

 

そうです。Testosterone氏が本文中で断言する通り、始めから「一日は17時間しかない。」と考えて、そこから時間配分を逆算すべきなのです。

 

この発想の転換によって解消できる慢性的な不調は、以下の3つです。

 

  1. 自律神経の不安定
  2. ホルモンバランスの乱れ
  3. 免疫力の低下

 

いずれも、毎日を快適に過ごすためには欠かせない要素だということがわかると思います。

 

「心神喪失状態」が睡眠不足からきているケースも。

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精神科の現場ではよく聞くケースなのですが、いわゆる「心神喪失状態」における犯罪行為の背景をたどっていくと、慢性的な睡眠不足が明らかになることがあります。

 

何日もロクに眠れていない朦朧とした中で妄想にとりつかれたり、昼夜逆転の生活を続けて偏った思い込みが生まれたり。

 

(そのため、精神科の夜勤における重要な観察項目のひとつには「睡眠時間」が入っています。)

 

そうした患者さんが規則正しい入院生活を送り、睡眠導入剤などを使って入眠時間と起床時間を固定させていくことで安定したメンタルに近づいていきます。

 

本書でも、英国の大学生3,755人を対象にした研究で、不眠症を改善したことでパラノイア(他人から批判されている妄想を抱く症状)や幻覚症状が軽減した事例が紹介されています。

 

つまり、心身の安定のためには

 

  • 7時間以上の睡眠時間
  • 固定化された入眠・起床時間

 

この2つがカギになっていることがよくわかりますね。

 

通常の会社員の場合はこうする

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月〜金ではたらくサラリーマンの場合、入眠・起床時間の固定化はなんとかクリアできると思います。わたしも以前は営業職だったのでよくわかりますが、実現するためのポイントは2つあります。

 

  1. 休日と平日の「起床時間」をずらさない
  2. 不足した睡眠時間は昼寝でおぎなう

 

習慣化に関するあらゆるテクニックで共通するのが、「特例を設けない」という点です。

 

「明日は休みだから夜ふかししちゃおう」

「今日は休みだからゆっくり寝ていよう」

 

”ささやかな幸せ”をもたらしてくれる、これらをやめられないその気持ち。よーく分かりますが、長期的に考えたら自ら不調を招き寄せているようなもの。

 

気づいた時がやめ時です。

 

たとえ夜ふかしをする時でも、翌朝の起床時間だけは平日と同じ時間を守る。

 

これだけでも体がルーティンとして記憶するため、「月曜の朝がイヤでたまらない」といった休日と平日のギャップからくるストレスを最小限にとどめることができるようになります。

 

職業柄、「不規則な睡眠」しか取れない場合はどうする?

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さて、ここが今日の最大のヤマ場です。

 

現在のわたしのようにわずかな休憩時間(仮眠時間は2時間ほど)しか取れない職業に就いている場合、一体どうすればいいのでしょうか?

 

このタイプは、「睡眠負債」といって、睡眠不足からくる判断能力の低下などが近年問題視されるようになっています。(夜行バスの運転手が起こした事故などが典型ですね。)

 

実際、わたしの場合は夜9時から0時までという休憩時間のため、そもそもふつうの大人が寝られるような時間帯ではありません。

 

また、起床時間を合わせるといっても、さすがに休日まで0時に起きて活動すれば昼夜逆転してしまいます。そこで取り入れているテクニックが、以下の内容になります。

 

  1. 「入眠時間」を夜勤時と合わせる
  2. 不足した仮眠時間を電車内で確保する

 

「入眠時間」を夜勤時と合わせるメリット

たった2時間の仮眠では、寝起きの良さなどもちろん期待できません。「睡眠不足の脳は、軽い脳梗塞の状態とよく似ている」とされますが、体感でもそれがよくわかります。

 

そのため、「寝つき」を良くすることに注力するわけです。

 

本書で精神科医の岡氏が紹介するのは、「徐波睡眠」というワード。本文中では

 

徐波睡眠は一晩の睡眠のうち、もっとも深い眠りである最初の90分のうちに多く見られると言われており、熟眠感と関係があるとされています。

 

 と、解説されています。

 

つまり、入眠時間をふだんから夜勤時に合わせることで、2時間の仮眠で「徐波睡眠」を全力で取りに行くのです。

 

わたしはここ数ヶ月、(偶然にも)夜9時に寝て朝4時前後に起きる生活をしています。

これは、夜遅くまでブログ作業をしても全く効率が上がらないことに気づいたため。

 

眠気をこらえてダラダラ起きているぐらいなら、サッサと7時間熟睡して早朝に作業するほうが断然作業がはかどるのです。

 

夜勤時の寝つきもはるかに向上し、日勤や休日時の作業効率も同時に上がる方法です✨

 

仮眠時間を電車内で確保するメリット

もうひとつは、夜勤明けの電車内で仮眠を取ることですね。

 

勤務中は覚醒状態にあるため、意外と眠気を感じないものですが、体はクタクタに疲れているのが実際です。そのため、スマホなどを一切いじることはやめて、ここでも先述した「徐波睡眠」を取りにいきましょう。

 

夜勤中の仮眠と違うのは、あっという間に入眠できる点。なおかつ電車という特性上、寝すぎてしまうことも同時に防ぐことができます。

 

わたしの場合、職場の最寄り駅から、乗り換え駅までは約20分。遮音性の高いイヤフォンで小さく音楽を流しながら寝ると、自分でも驚くほどの熟眠感と共に目が覚めます。

 

これも、長年の習慣で知らず知らずのうちにからだが覚えた、ルーティンのひとつと言えます。

 

さてさて。今回はこの辺にしておきますね。

 

本書にはこれら以外にもメンタルを守る様々なテクニックが実例ともに紹介されています。

ご興味のある方は、ぜひ一読されてみることをおすすめしますよ。

それではまた。

たろけんでした!